特集 完全解説 ロコモティブシンドローム
【スペシャル・アーティクル】
老年医学の視点から見たロコモティブシンドローム
大蔵 暢
1
1東京ミッドタウンクリニック・シニア医療部
キーワード:
虚弱
,
要介護状態
,
老年症候群
Keyword:
虚弱
,
要介護状態
,
老年症候群
pp.680-682
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102936
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日本整形外科学会は2009(平成19)年に,「運動器は加齢や疾病によってその機能が低下し,転倒や要介護状態などの好ましくない健康アウトカムに結びつくため,早期からの医学的な評価と対策が必要である」というメッセージとともに,「運動器症候群(ロコモティブシンドローム)」という概念を提唱した.数年が経過し,これらの概念や意図,転倒予防などの対策が一般社会において広まってきたという事実は喜ばしいことである一方,この学識的に曖昧な概念への違和感と,その一般社会への拡散に危惧を感じる人も少なくないという.かく言う筆者もそのうちの一人であるが,幸いにも今回その違和感の原因について分析させていただく機会を得たので,日米の医療を経験し,高齢者医療の現場で働く一人として,ロコモティブシンドロームに対する私見を述べたい.
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