初心者講座
早期胃癌の見つけ方(3)
八尾 恒良
1
,
渕上 忠彦
2
Tsuneyoshi Yao
1
1福岡大学筑紫病院消化器科
2松山赤十字病院胃腸センター
pp.345-348
発行日 1986年3月25日
Published Date 1986/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110184
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Ⅰ.X線撮影法
通常適切な空気量があれば胃体中部までの後壁病変は,前回呈示した胃角部を中心とした二重造影法で描出できることが多い.しかし胃体高位,噴門部または穹窿部の病変は,仰臥位第1斜位で撮影された二重造影像がないと拾い上げられないことが多い.
胃体部の二重造影像は一度患者さんに右下60°ぐらいの斜位をとらせ造影剤を穹窿部と前庭部に“振り分け”て15~30°ぐらいの斜位に戻すと〔症例1〕a)のような二重造影像が撮影される.これらの二重造影像は脊椎と重なった部分が多く,重なった部位は細かい読影ができないので,大彎側を脊椎の左側で広範囲に描出することを意図した写真〔症例1〕a),強い斜位で小彎側を脊椎の右側に描出することを意図した写真〔症例2〕a),更に両者の中間の写真など3枚ぐらいは撮影するのが望ましい.
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