メンタルクリニック便り・13
いまどきの「うつ」の背景
市村 公一
1
1あおばメンタルクリニック
pp.619
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102918
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■薬物療法―続―
前回は今どきの「うつ」の女性(女性に限らず男性でも)には,抗うつ薬よりまずアリピプラゾール(エビリファイⓇ)3mg錠の1/4が有効だと書きました.抗うつ薬はSSRI,SNRI,三環系,いずれも立ち上がりが遅く,少なくとも1週間,10日は服用しないと効果が現れません.しかし,アリピプラゾールは2, 3日で効果が出るのも利点です.これで1週間から2週間経過を診て,それでもまだ抑うつ気分や不安を主とするうつ症状が強ければSSRI,意欲低下が強ければSNRIを加えます.
女性の場合,私はSSRIであればセルトラリン(ジェイゾロフトⓇ)を使うことが多いです.パロキセチン(パキシルⓇ)は抗うつ作用は強力ですが,寛解して減薬する際に離脱症状が出ることが多いため,「この人は場合によっては入院が必要かも」という重度のうつの方以外では使いません.最近徐放性のCR錠が出て,これだと離脱症状も少ないとのことですが,経験が少なく何ともいえません.
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