特集 Special Article:
新型コロナウイルス禍におけるアルコール問題 1.新型コロナウイルス禍の薬物依存への影響
嶋根 卓也
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部心理社会研究室長
キーワード:
COVID-19
,
薬物依存
,
併存疾患
,
自助グループ
,
オンライン
Keyword:
COVID-19
,
薬物依存
,
併存疾患
,
自助グループ
,
オンライン
pp.8-12
発行日 2021年7月30日
Published Date 2021/7/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.09.02_0008-0012
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本稿では国内外の研究をもとに,新型コロナウイルス(COVID-19)の薬物依存への影響を検討した。電子カルテを用いた米国の研究では,過去1年以内に物質使用障害の診断を受けた患者は,受けていない患者に比べてCOVID-19の発症リスクが約9倍高く,入院率や死亡率も有意に高いことが明らかにされた。循環器疾患,高血圧,肥満などの物質使用障害者に高頻度に併存する身体的併存疾患がCOVID-19のリスクを高めている可能性がある。国内の精神科医療施設を対象とした全国調査では,COVID-19により回復プログラムの参加が阻害されたことや問題飲酒が継続していることが,COVID-19に関連するリラプスの危険因子になっていることが明らかにされた。さらには,オンラインミーティングを導入した自助グループ,当事者が共同生活を送る民間回復支援施設への影響についても触れた。「KEY WORDS」COVID-19,薬物依存,併存疾患,自助グループ,オンライン
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