Editorial
腹痛診療の達人になる
伴 信太郎
1
1名古屋大学医学部附属病院総合診療科
pp.153
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101862
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腹痛はとくに医師の臨床能力が試される症状である.消化器疾患のほかに,心臓・血管の障害,泌尿器系の障害,産婦人科的疾患,腹壁の障害,皮膚疾患,代謝性疾患等のほか,「腸は心の鏡」といわれるように心因性の問題も多く,腹痛患者の診療はdiagnosticianとしての総合診療医の腕のふるいどころであろう.
腹痛診療で思い出す私自身の経験をいくつか挙げてみると,まず精巣捻転症の2例を思い出す.小学生ぐらいの小児科の患者さんと,高校生ぐらいの学生であったが,いずれも精巣の温存はできなかった.「腹痛患者では陰囊部まできちんと診ることが重要である」1)ことを身につまされた.
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