特集 医師に必要な臨床栄養学
【症例報告】
栄養療法の重要性を再認識させられた症例
廣瀬 知人
1
,
前野 哲博
1
1筑波大学附属病院 総合診療グループ
pp.940-941
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101554
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症例:80歳,男性.
主訴:意識障害.
現病歴:1カ月前自宅で転倒し,腰椎L1圧迫骨折にて近医入院.胸腹CTで両側胸水を認めトラセミド4mg開始されたが,ラクナ梗塞による嚥下障害を認め水分はトロミ付きに制限されており,本人は嫌がってあまり飲水しなかった.1週間前から口渇出現するもやはり飲水せず,また補液もされず徐々に意識状態が悪化した.腰椎手術目的に当院整形外科へ転院となったが,来院時に低血圧,高Na血症,腎機能障害を認め,翌日当科へ転科となった.
既往歴:高血圧,胃潰瘍.
転科時身体所見:JCS I-1,血圧97/48mmHg,脈拍68bpm,呼吸数20bpm,体温36.9℃,SpO2 97%(O2 3l mask),身長165cm,体重 40.3kg(通常45kg).胸腹部;特記すべき異常なし.皮膚turgor低下,腋窩・口腔粘膜乾燥著明,四肢edemaなし,左腸骨部に8×4.5cmの黄色褥瘡,周囲発赤あり.
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