特集 特定健診時代の生活習慣病対策
【高血圧のホットトピックス】
高血圧診断の最新エビデンス―開業医が読み解く血圧研究
灰本 元
1
1灰本クリニック
キーワード:
家庭血圧
,
外来血圧
,
ABPM(24時間自由行動下血圧)
Keyword:
家庭血圧
,
外来血圧
,
ABPM(24時間自由行動下血圧)
pp.50-54
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101324
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現場からみた高血圧ガイドライン2004
大学病院の高血圧専門外来を受診する患者はもとより治療意欲が高いが,開業医である私が診ている患者はそうではない.前者を基準にすると日本の高血圧診療の本質はみえてこないように思う.私は高血圧を専門にしているわけではないが,高血圧基準値について日頃思っていることはたくさんあるので,素人の立場から書いてみたい.
ガイドラインを読む医師の眼前には必ず患者がいる.治療には患者の協力が不可欠なので患者にもわかりやすいことが必要と思うが,そのような発想では編集されていないように思う.外来血圧値だけにしぼってみると,とにかく血圧値の分類が多くわかりにくい.たとえば正常血圧の分類だけでも致適血圧,正常血圧,正常高値血圧の3種類,おまけに収縮期と拡張期の2つの値があるから,正常血圧の分類だけで6つの数字が並んでいる.また,高血圧の基準値140/90mmHgに対して降圧目標値は130/85mmHgとなっており,診断と治療に2つのスタンダードがある.さらに糖尿病や腎障害を合併すると130/80mmHg未満,高齢者では140/90mmHg未満となると,こんなには覚えられないし,説明しても患者は混乱してしまう.
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