特集 特定健診時代の生活習慣病対策
【高血圧のホットトピックス】
高血圧治療の最新ストラテジー
志水 元洋
1
,
苅尾 七臣
2
1柳井市立平郡診療所内科
2自治医科大学循環器内科
キーワード:
JSH 2004
,
ESH-ESC 2007
,
家庭血圧
Keyword:
JSH 2004
,
ESH-ESC 2007
,
家庭血圧
pp.55-59
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101325
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高血圧は本邦で非常に頻度が高く,日常診療でも多く遭遇する疾患である.また,脳卒中や冠動脈疾患といった心血管疾患の主要な危険因子であることが示されており,高血圧管理の重要性も認識されている.減塩や減量,禁煙,節酒など生活習慣の修正は,高血圧を含めた生活習慣病治療の基礎であるが,十分な指導のもとで一定期間の経過後にも降圧目標に達しない場合には,降圧薬を用いた治療を考慮する必要がある.
現在のところ,カルシウム拮抗薬,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB),アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,利尿薬,β遮断薬,α遮断薬の6種類が主要な降圧薬としてあげられており,日常診療でもこれらを活用して降圧治療が行われている.しかしながら,その進め方に関しては明確なコンセンサスが得られておらず,実際の臨床現場にも混乱を与えていることが推測される.さらに,最近本邦でも販売されるようになった降圧薬の合剤の位置づけに関しても,あまり明確には示されていない.そこで本稿では,日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2004(JSH 2004)」1)および最近改訂された欧州心臓病学会―欧州高血圧学会「高血圧管理ガイドライン2007(ESH-ESC 2007)」2)の内容を踏まえ,高血圧治療の進め方に関して概説していく.
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