Editorial
総合医をめぐって
福井 次矢
1
1聖路加国際病院
pp.1
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101313
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またぞろ総合診療・家庭医をめぐる国を挙げての議論である.今回は「総合医」という名前で.私の印象では,約10年単位で,思い出したように総合診療・家庭医が大きな話題になってきた.1980年代半ばの「家庭医に関する懇談会」,1990年代の大学附属病院での総合診療部設置ラッシュ,2000年代に入って,今回の「総合医」である.現在,私は日本医師会生涯教育推進委員会委員長として,3学会(総合診療医学会,家庭医療学会,プライマリ・ケア学会)と協同の総合医構想立案に携わっているが,厚生労働省の掲げる「総合科」構想との政治的な兼ね合いもあり,先行きは混沌としている.
本来,総合医(ここでは,一般内科医,総合診療医,家庭医などを総称しているものとする)という専門医集団を作って,国あるいは専門学会の制度として確立するかどうかは,より質の高い医療の提供につながる(であろう)ことが,まず十分に議論され確認されたうえで,養成課程,診療報酬との関連性が検討されるべきである.しかしながら,ややもすると診療報酬の議論のみが前面に出てしまうのは残念である.
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