特集 片頭痛だけが頭痛じゃない
【頭痛の部位と性状,随伴症状から考える】
⑤後頭部の頭痛
宮本 宣友
1
,
橋本 正良
1
1神戸大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
緊張型頭痛
,
国際頭痛分類
,
髄膜炎
,
椎骨動脈解離
Keyword:
緊張型頭痛
,
国際頭痛分類
,
髄膜炎
,
椎骨動脈解離
pp.488-491
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101140
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Case
患者:36歳,男性.内科医師.
現症:2年ほど前から月に数回,肩こりとともに両側の後頭部に重い痛みを自覚するようになった.とくにパソコンで連日原稿作成を続けるなど,うつむいた姿勢を長時間とっていると起こりやすい.痛みは出現すると数時間から長い時には数日続き,ひどい時には目の奥まで痛みが広がってくるが吐き気を感じたことはない.長時間,うつむいた姿勢をとらないように気をつけることで頭痛は軽減するようになった.痛みがひどい場合にはNSAIDsを使用するようにしてコントロールしている.
頭痛を主訴として来院する患者のなかで,後頭部の痛みを訴える患者は少なくない.そこには慢性のものから急性・発作性のもの,随伴症状を伴うもの,伴わないものまで多様である(表1).また,「頭の後ろのほうが痛い」という患者の訴えのなかには,頸部由来のものも時として含まれている.本稿では後頭部を中心とした頭痛を来たす最も一般的な疾患である緊張型頭痛を中心に,主に後頭部に痛みを起こすものについて鑑別診断も含めて概説する.
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