特集 真夏の総合診療
高温多湿と人体生理への影響
小野寺 昇
1
,
西村 正広
1
Syou Onodera
1
,
Masahiro Nishimura
1
1川崎医療福祉大学健康体育学科
キーワード:
体温
,
体温調節
,
熱産生
,
熱放散
,
不感蒸泄
Keyword:
体温
,
体温調節
,
熱産生
,
熱放散
,
不感蒸泄
pp.570-573
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100978
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暑熱環境において,ヒトは恒常性を維持する仕組みを働かせ,(適応)体温を保持する.環境への適応には2つの型がある.従合適応と調節適応である.生体を従合性生体と調節性生体に分けて考えると理解しやすい.たとえば,カエルは環境気温の変化に対して体温を変化させて適応している.変温動物は従合性生体であり,私たちヒトは,恒温動物であるから調節性生体ということができる.従合性生体は,生存可能な環境条件における生体機能の変化の幅は広いが,狭い範囲でしか恒常性を維持できないのが特徴である.一方,調節性生体は,生体内の変化には狭い範囲でしか適応できないが,かなり広い範囲での恒常性を有している.
今回は,外部環境の温度・湿度とヒトの内部環境の生理的な指標との関連についての基本的な考え方と,夏季における高温多湿について,今日的な話題も含めて紹介する.
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