研究
高温下防除用作業衣の人体に及ぼす影響
田中 正敏
1
,
窪田 為延
1
,
北 博正
1
,
大野 静枝
2
1東京医科歯科大学医学部衛生学
2日本女子大学家政学部被服科
pp.185-189
発行日 1975年3月15日
Published Date 1975/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204978
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
農作業中,特に農薬散布時に着用される衣服は,農薬への接触をさけるため,防除衣として特殊な形態,特性が要求される.これらの防除衣は,炎天下での農耕作業,ビニールハウス内での作業など人体への暑熱反応から考えた場合,必ずしも適切であるとは云えない.暑熱下での作業は,生理的には,体温,発汗,循環,呼吸器系への反応からみて,人体に負担となり,さらには熱中症の起因となる1,2).また衣服の材質,形態上からは,機能性,着心地,防除効果など作業能率に影響する.防除衣の機能性は,その着用の目的から,全身を覆い,人体に危害,傷害をあたえないことにある.また農作業時の気候条件は,高温,多湿下での労作も多い.今回の実験は人工気候室において,高温,多湿,風速の少ない場合を設定し,防除衣,対照衣を着用し,安静時および,軽労作をおこなっての反応を検討した.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.