特集 帰してはいけない外来患者
【ケーススタディ】
めまいを訴える患者
臺野 巧
1
1北海道勤医協中央病院総合診療部
キーワード:
中枢性めまい
,
良性発作性頭位性めまい(BPPV)
,
前庭神経炎
,
メニエール病
Keyword:
中枢性めまい
,
良性発作性頭位性めまい(BPPV)
,
前庭神経炎
,
メニエール病
pp.26-29
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100834
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Case
患者:60歳,男性.
既往歴:糖尿病,高血圧.
主訴:めまい感,歩行時のふらつき.
現病歴:朝からめまい感があり,歩行時にふらつくため,某病院内科外来を受診した.受診時は症状がやや軽快しており,自力歩行もなんとか可能だった.血圧が普段より高く,180/90mmHgだったため降圧薬が処方され帰宅となった.しかし,夜になってふらつきが増悪し,同病院救急外来を受診した.神経学的診察上,眼振は認められなかったが,左外転神経麻痺による複視,軽度の中枢性顔面神経麻痺,左小脳失調を認めた.脳MRI拡散強調画像で脳幹左側および小脳に点在する高信号域があり,MR angiographyでは脳底動脈の閉塞を認めた.急性期の脳幹小脳梗塞と診断され,入院となった.
めまいを訴える患者は多い.しかし,患者が訴えるめまいはさまざまである.鑑別すべき疾患も幅広く,耳鼻科疾患,循環器疾患,脳卒中,精神疾患など多岐にわたる.めまい診療こそまさに総合診療の極みであるといえよう.ここでは,めまいを訴える患者の中で「帰してはならない患者」,とくに中枢性めまいの患者を見逃さないようにするための注意点を中心に解説する.
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