特集 クリニカル・リサーチはおもしろい
【スペシャル・アーティクル】
ゼロから学ぶクリニカル・リサーチ MCRで学んだ経験とわかってきたこと
杉岡 隆
1
1京都大学大学院医学研究科医療疫学分野
キーワード:
京大SPH
,
MCRコース
,
臨床研究の科学性
,
やる気
,
資金・組織
,
倫理的配慮
Keyword:
京大SPH
,
MCRコース
,
臨床研究の科学性
,
やる気
,
資金・組織
,
倫理的配慮
pp.128-130
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100818
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
私は昨年4月京都大学大学院医学研究科の医学博士課程(社会健康医学系:以下,SPH)に入学し,医療疫学分野の福原俊一教授の指導の下で臨床研究を学んでいます.それまで約9年間地域の診療所に勤務し,研究に関する知識はほぼゼロの状態でしたが,資源の乏しい地域の現場診療を行ううえでの拠り所―現場診療に必要なエビデンスをつくる必要性を感じたのがその動機です.また昨年からSPHの中に臨床医に対象を特化したMCR(Master of Clinical Research)コース(表1)が開講されることになり,これに第1期生として参加できるということも,入学を決意した大きな理由でした.
MCRコースでの日々
MCRコースは,表1にあるようにとても充実した教育プログラムになっています.もともと1年間かけて学ぶように設定された研究の基本的知識やスキルを前期4カ月間で習得するようになっているため,正直かなりのハードワークでした.しかし集まった同期11人は皆優秀かつモチベーションの高いメンバーで,きつい課題も彼らと協力し合うことで楽しみながら何とかこなすことができました.教官の方々も大変熱心で,工夫の凝らされた講義や実習にはたびたび感激させられました.教える側も教わる側もこのコースを成功させようと,お互い良い緊張感を持ちながらやっていけたように思えます.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.