特集 クリニカル・リサーチはおもしろい
クリニカル・リサーチを学ぶ効用
名郷 直樹
1
1社団法人地域医療振興協会地域医療研修センター
キーワード:
クリニカル・リサーチ
,
臨床疫学
,
生物統計学
,
EBM
Keyword:
クリニカル・リサーチ
,
臨床疫学
,
生物統計学
,
EBM
pp.102-104
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100812
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リサーチへの一歩
今から15年ほど前,義務で赴任した僻地の診療所で,都市部に比べて腰の曲がった老人が多いような気がして,第二中手骨で骨量を測定したのが,私のクリニカル・リサーチの最初であったかもしれない.卒業後5年目くらいだったと思う.
リサーチ・デザインや解析手法についてまったく知らないまま,誰の教えを請うたわけでもない,適当な研究計画書にもかかわらず,運よく研究費を得ることができ,何百人もの骨量を測定した.年代ごとの骨量の変化を中心に解析し,これもまた運よく論文1)にまでまとめることができた.バブル景気の真っ只中で,研究費もかなり景気よく配分されていたのだろう.定期預金の金利が5%とか6%という時代で,そうした高金利を背景に,基金の利息から配分された研究費であったが,何の研究歴もない,卒後間もない僻地診療所勤務の医師も,その恩恵を受けることができた.やはり景気は重要だな.景気と研究結果との相関,景気が良いと良い研究が出るのかどうか,これもまた新しいリサーチ・クエスチョンだ.
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