特集 悪心・嘔吐へのアプローチ
【症例から学ぶ悪心・嘔吐へのアプローチ】
食欲が低下し発熱と嘔気を繰り返した32歳男性
谷澤 公伸
1
,
坂本 宗一郎
1
,
林野 泰明
2
,
石丸 裕康
1
1天理よろづ相談所病院総合診療教育部
2京都大学医学部付属病院総合診療部
キーワード:
コルチゾール
,
ACTH単独欠損症
,
副腎機能低下症
Keyword:
コルチゾール
,
ACTH単独欠損症
,
副腎機能低下症
pp.511-514
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100630
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症例呈示
患 者:32歳,男性.
主 訴:発熱,体重減少,嘔気.
Patient Profile:妻,長男,長女,次女と5人暮らし.布教者,current-smoker(20本×10年),never-drinker,過去1年間の海外渡航歴なし.
既往歴:特記事項なし.
家族歴:祖母が糖尿病.
現病歴:2001年10月中旬までは元気で,国体の柔道にも選手として出場した.2001年10月末から頭全体に持続痛があり,11月中旬から食欲が低下して発熱,嘔気を繰り返した.他院で採血,検尿,頭部CTによる精査を受けたが,原因不明だった.嘔気は離床や食事で増悪するため終日臥床するようになり,食事量も以前の1/4程度だった.12月中旬以降に,頭痛,嘔気を伴い40℃近い発熱が4~5日続くことが2回あった.その後も食欲低下,嘔気が続くため,2002年1月当院総合外来を受診し,精査目的で入院した.2001年10月から3月間に10 kgの体重減少があった.腹痛,便通や便の性状に変化はなかった.
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