特集 アレルギーの臨床―第一線での診断と治療
アレルギーの臨床に必要な検査の常識―小児の場合
古川 漸
1
,
松原 知代
1
1山口大学医学部生殖・発達・感染医科学/小児科
キーワード:
小児アレルギー疾患
,
IgE
,
特異IgE抗体
,
皮膚テスト
,
食物除去・負荷試験.
Keyword:
小児アレルギー疾患
,
IgE
,
特異IgE抗体
,
皮膚テスト
,
食物除去・負荷試験.
pp.111-114
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100533
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Case
小麦が原因の食物依存性運動誘発アナフィラキシーの1例
患 者:12歳,女児.
主 訴:呼吸困難,顔面腫脹.
家族歴:母がアレルギー性鼻炎.
既往歴:アトピー性皮膚炎.
現病歴:数カ月前から時々蕁麻疹あり.入院当日,昼食(ピザ)後テニスをした.30分後に顔面腫脹と呼吸困難が出現し入院.
現 症:血圧やや低下,顔色やや不良,顔面腫脹,眼瞼浮腫著明,喘鳴,体幹に蕁麻疹.
検 査:血清中総IgE値408U/ml,血清中特異IgE抗体;ヤケヒョウヒダニ5(クラス),小麦2,卵白0,牛乳0,大豆0,カニ0,エビ0,チーズ0,ソバ0,スクラッチテスト;小麦陽性.
経 過:ステロイドの静注,塩酸ヒドロキシジンの点滴静注にて軽快し翌日には退院.
アレルギー疾患の診断には,詳細な問診が不可欠である.現病歴,既往歴および家族歴から,アレルギー疾患を疑い,原因となるアレルゲンを推測して,スクリーニング検査をする.スクリーニング検査で陽性のアレルゲンについてさらに確定診断を施行する.スクリーニング検査としては血清中特異IgE抗体の測定や皮膚テストが,確定診断には誘発試験が有用である.
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