特集 臨床検査の達人になる!
トピックス
①尿で肺炎を診断する
芝 紀代子
1
1文京学院大学保健医療技術学部臨床検査学科
pp.823-825
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100433
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
感染症迅速診断法の条件として挙げられることは,判定までの時間が短いことで,なるべく30分以内が望ましい,操作が簡便で,しかも感度,特異度に優れているが,特殊な機器を必要としないこと,それにもっとも大きなことは,採取が容易な検体で検査できることである.この点から,尿中抗原の検出が一番相応しいということになる.
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)は市中肺炎の最も一般的な起炎菌であり,細菌性市中肺炎の約3~5割を占める.肺炎は日本人の死亡率の第4番目に位置する疾患である1).レジオネラ(Legionella pneumophila)による肺炎は,わが国では1994年ごろまで稀な疾患だったが,スーパー温泉や,高齢者介護施設などでの循環式浴槽の普及とともに感染者が増加している.レジオネラ症は2003年11月に新4類感染症と規定され,診断後直ちに届出をする疾患となった2).
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.