特集 臨床検査の達人になる!
ミニレクチャー
外注検査をする際の注意点
熊坂 一成
1
1日本大学医学部臨床検査医学
pp.822
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100432
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外注検査で重要なことは,外注する検査施設の選定である.検査室のある病院であっても,外部の検査施設へ委託したほうが効率的な検査項目は外注の対象となる.しかし,本稿では検査室を持たない診療所勤務の医師を対象に,外注検査をする際の注意点を述べる.
昭和30年代から40年代にかけて,日本医師会長であった武見太郎氏の提言のもと,全国各地に「医師会臨床検査センター」が設立された.同センターの建設,設備,運営などの資金は,会員の負担によった.もし診療所のそばに「医師会臨床検査センター」があれば,最初に,そこを外注先にすることを検討していただきたい.適切な臨床検査を実施する条件の一つとして,検査を依頼する医師と検査担当者(臨床検査技師)のお互いの責任とコミュニケーションが大切と考えるからである.しかし,この10数年間に医師会臨床検査センターと民間検査センター(衛生検査所)との業務提携が進んでいる.2006年4月時点での医師会臨床検査センター(65施設)の運営形態は,医師会単独が17施設に激減し,民間検査センターに全面業務委託が16施設,一部業務委託が30施設にも増加した.日本医師会の担当理事は「民間検査センターへの業務委託を一概に否定はしないが,ゆゆしき問題だと考えている」との認識を示している.
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