特集 診療所での上手な抗菌薬の使い方
一般外来診療での抗菌薬
笠井 大介
1
,
青木 眞
2
1神戸大学大学院医学系研究科 微生物学・循環呼吸器病態学
2サクラ精機株式会社
キーワード:
抗菌域
,
副作用
,
抗菌薬の作用機序
Keyword:
抗菌域
,
副作用
,
抗菌薬の作用機序
pp.614-617
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100388
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Question & Answer
Q:抗菌薬を適正に使用するために留意すべき点は?
A:発熱や炎症反応が上昇した患者を診察した際,まず感染症かどうかを判断する.感染症であれば感染臓器,起炎菌を推定したうえで,抗菌域,臓器移行性,副作用などを考慮しながら抗菌薬を選択することが重要である.
今日の日常診療において,使用可能な抗菌薬は多岐にわたっており,さまざまな薬理作用を有するさまざまな商品が発売されている.抗菌薬の適正使用の必要性が求められながらも,不適切な投与が問題となり続けているわが国においては,ジェネリック医薬品まで含めれば商品名は数百種類になると思われる.本稿では,総論として代表的な抗菌薬の分類と抗菌スペクトラムの特徴に関して述べてゆく.
■βラクタム系
最も使用頻度の高い抗菌薬であり,βラクタム環を構造に含み,細菌の細胞壁の合成障害が主な作用機序である.
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