皮膚科医直伝Ⅱ 教科書では教えてくれないコツ[最終回]
言葉のワナ―こうして患者は去っていく・こうして患者に信頼される
中村 健一
1
1おゆみの皮フ科医院
pp.185-188
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100246
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…ああ言えば良かった.こう言えば良かった.外来を振り返るとこんな思いに駆られることも多いだろう.当然のことだが,病気の治療には,とにかく患者に通院してもらわないといけない.しかし人間は感情のある生き物だ.治療の前提としての言葉(説明)で,いかに患者を不快にさせないか,怒らせないか,ということが重要となる.そこで今回は,外来で言ってはならない言葉や,反対に信頼を得ることができる言葉など,診察時のコミュニケーション術について紹介しよう.
「湿疹ですね」
こう説明されても,患者には何のことやらさっぱりわからない.他の医院で治療を受け,その診断で「湿疹ですね」と言われた患者はとても多い.そして,そういった患者の大多数が前医の説明に不満を持っている.どうして皮膚を掻き毟るのか? 接触皮膚炎なら原因はどこにあるのか?どうしてもわからなければ,「原因不明の接触皮膚炎かな?」などと正直に説明しよう.
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