EBM時代の生薬・方剤の使い方[15/最終回][生薬]
当帰とホルモン
田中 重雄
1
1東京農業大学バイオサイエンス学科植物遺伝子工学研究室
pp.255-257
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100086
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当帰は古来より漢方の要薬で,浄血,鎮静,強壮剤として用いられてきた.とくに貧血,身体冷感,腹痛,疼痛,月経困難などの諸症状を改善する婦人病の妙薬として,また子どもに恵まれない女性には子宝を授け,さらに産みの苦しみを軽くする産前産後の妙薬として,広く伝承されてきた.そのため,近年米国を中心に,当帰をホルモン補充療法に代わる更年期障害の薬として,また月経前症候群,無月経,子宮内膜炎の改善薬として活用する目的で,そのホルモン様作用の有無や女性特有の症状に対する改善効果について科学的な評価がなされているので,紹介する.
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