EBM時代の生薬・方剤の使い方[14][方剤]
柴朴湯
伊藤 隆
1
1鹿島労災病院和漢診療センター
pp.167-170
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100066
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方剤の構成と特徴
柴朴湯は,小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方である.経験方であり,名称は慣用による.本剤の作用を大別すると,気管支喘息に対する抗炎症・抗アレルギー薬,そして咽喉頭異常感に対する抗不安薬の2つがある.
小柴胡湯は柴胡,半夏,黄芩,人参,生姜,大棗,甘草からなる.慢性の炎症性疾患に対する基本治療薬であり,陽証で虚実間からやや実証で胸脇苦満のある症例を適応とする.出典では,長引いた風邪あるいは主に上腹部の愁訴に対して用いられる.柴胡,黄芩,甘草は炎症を抑える一方,向精神作用をも有している.中医学的には,小柴胡湯などの柴胡剤の適応を肝気鬱結と呼び,怒りなどの自己主張が抑圧された状態を改善するとしている.
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