泌尿器科の先達を訪ねて・5
南 武先生
小川 秋實
,
南 武
1
1東京慈恵医科大学
pp.618-621
発行日 1996年7月20日
Published Date 1996/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904378
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
泌尿器科を選んだきっかけ
──きょうは暑い中,お時間をとっていただきまして,ありがとうございます。先生は日本の泌尿器科の揺籃期に,欧米の進んだ泌尿器科をいち早く日本にご紹介くださって,日本の泌尿器科の発展のためにご尽力いただいたということで,尊敬申し上げております。まず,どういうわけで泌尿器科をご専攻になられたのでしょうか。
南 昭和27年1月に慈恵医大の泌尿器科教授の渡辺一郎先生が急逝されたので,後任教授の選考委員長が,私に「おまえ,泌尿器科にかわれ」と言うんです。私は外科医を志してきたので,お断りしたんです。7月にまた,「公募してもいい侯補者がこないから,かわれ」と言われ,11月にまた呼ばれて,その時もお断りした。けれども同級生の高木という病理の教授が,「南,良い候補者が来ないんだから,おまえがやれよ」と言う。そこで私は条件を出したんです。東大に見学にやってくれと。そんなことはだめだと言う。外国にやってくれと言ったら,そんな金はないと言う。泌尿器科をすることに決めましたが,それじゃ自分で金を貯めて外国へ行って泌尿器科の勉強をしようと,それから外人に英会話を1週間に1度ずつ,習いに行ったんです。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.