交見室
小児包茎手術の適応
勝岡 洋治
1
1大阪医科大学
pp.373
発行日 2002年4月20日
Published Date 2002/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903548
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皆さんは小児の包茎をどのように扱っておられるのでしょうか?
先日のことであるが,定期的に外来診療に行っている個人病院に男の子2人が,嫌がるのを無理やり母親に引きずられるようにして私の前に現れた。母親の顔を見て,数日前に上の子(8歳)を当科関連施設に包茎手術目的に紹介したことを思い出した。全身麻酔が必要で短期入院になることを母親に説明し,担当医には背面切開ではなく環状切除のほうがベターであることを指示した。ところが実際は,私の思惑とは異なった顛末となった。若い医師より全身麻酔には気管内挿管が行われることや術後の疼痛が暫く続くとの説明を聞き,思わず怯んでしまったという。その上に手術により亀頭が丸出しになるので友達からいじめに遭う心配があると知り合いの奥さんから忠告されたという。そこで思い悩んだあげく,用手的剥離を希望したという。号泣する子供を押さえつけてなんとか包皮を剥いてもらったが,その晩から局所が赤く腫れ上がり痛々しく見るに耐えないので,もう一度診察を受けにきたという。下の子(6歳)も同様の処置を受けたが,家でも容易に反転ができているという。この兄弟のケースには小児包茎に対する処置と手術適応の諸問題が含まれているように思う。
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