特集 高齢者における循環器診療
高齢者における代表的循環器疾患とその治療
虚血性心疾患
青山 里恵
1
1東京都健康長寿医療センター循環器内科
キーワード:
虚血性心疾患
,
薬剤溶出性ステント
,
低侵襲PCI
,
抗血小板療法
Keyword:
虚血性心疾患
,
薬剤溶出性ステント
,
低侵襲PCI
,
抗血小板療法
pp.875-880
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_875
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Summary
▪高齢者虚血性心疾患では動脈硬化疾患の危険因子が多数関与し,また無痛性の虚血性心疾患が問題になるが,認知症や脳血管障害,ADL低下が関係している.
▪超高齢者でも急性冠症候群に対する緊急経皮的冠動脈形成術(PCI)は死亡退院を減少し,早期退院を可能とする.
▪虚血性の左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)でも虚血を改善することで予後が改善する可能性が示されたことから,超高齢者でのPCIによる虚血解除に期待がもたれている.
▪超高齢者では複雑病変や著明な石灰化をもつ虚血性心疾患と弁膜症,全身動脈硬化性疾患の合併が多く,complex high-risk indicated patient(CHIP)という概念に基づきハイリスク患者への治療を総合的に検討する必要がある.
▪高齢者では心房細動合併が多く,ステント留置後の抗血小板療法および抗凝固療法の量・期間についてはエビデンスが蓄積している.
© Nankodo Co., Ltd., 2020