増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅱ.術式別にみた術中・術後合併症の管理
B.腹腔鏡下手術
後腹膜腔鏡下腎摘除術
影山 慎二
1
,
鈴木 和雄
1
,
牛山 知己
1
,
藤田 公生
1
Shinji Kageyama
1
1浜松医科大学泌尿器科
pp.76-79
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903189
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1 はじめに
後腹膜腔鏡下腎摘除術は,1992年にGaurにより豊富な脂肪織に富む後腹膜をまずバルーンで拡張させる処置を工夫したことで良好な視野が得られたとして,初めて報告されている1)。後腹膜腔鏡下手術は腹腔鏡下手術に比べ,後腹膜腔自体が狭いため視野に劣り,しかも脂肪組織が豊富であるため,二酸化炭素の吸収量も増加し,術中・術後に呼吸管理がより複雑になるという欠点がある。しかし本来は,後腹膜臓器である腎などの病変を腹腔内に播種させない,尿を腹腔に広げないなどの点では,腹腔鏡下手術より生理的ですぐれた術式とも考えられる。
本稿では,後腹膜腔鏡下腎摘除術に際して起こりうる合併症とその対策について,浜松医科大学泌尿器科で作成した診療マニュアルをもとに紹介する。
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