増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
1.腫瘍
(3)膀胱腫瘍
膀胱癌
中川 修一
1
,
野本 剛史
1
,
三木 恒治
1
,
伊藤 博敏
2
Shuichi Nakagawa
1
1京都府立医科大学泌尿器科
2京都府立医科大学放射線科
pp.155-158
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902574
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1 はじめに
膀胱癌は50歳以上の男性に好発し(男女比3:1),前立腺癌に次いで死亡率の高い尿路悪性腫瘍である。初発症状としては血尿が多く,その8割に無症候性肉眼的血尿を認める。頻尿・排尿時痛などの膀胱刺激症状を伴うものもある。膀胱鏡を行えば容易に診断できる。腫瘍の形状・数・発生部位・大きさ・拡がりなどを詳細に観察し,直視下に生検を行い組織学的に診断を確定する。しかし膀胱癌では,癌の膀胱壁内および壁外への浸潤度は,癌の膀胱内腔面の形態などから推測するほかない。
画像診断は,治療方針を決定するための浸潤度判定に必須である。さらに,血尿をきたす患者に対するスクリーニング検査として,経腹的超音波断層法(TAUS)が広く用いられている。
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