増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅰ.画像診断の基礎知識
造影剤の種類と副作用
久保田 洋子
1
Yoko Kubota
1
1山形大学医学部泌尿器科
pp.38-42
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902551
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1 X線造影剤の種類
今日,X線診断に使用されている主要な造影剤を図1に示す。本稿では,泌尿器科領域で頻用される水溶性ヨード造影剤につき解説する。
現在市販されている水溶性ヨード造影剤(以下,造影剤)はすべてベンゼン環の六画のうち3か所にヨード原子を結合させ,残る3か所に側鎖を導入し,トリヨードベンゼンの性質を多様に変化させたものである(図2)。1分子中のヨード含有量を高める目的で,トリヨードベンゼン環を2個連結させたものをダイマーと呼び,1個からなるものをモノマーと呼んでいる(図2)。イオン性造影剤は,ヨード原子以外の一部位に酸基であるカルボキシル基を結合させたもので,アルカリ性溶液中でイオン化して溶解しやすい。非イオン性造影剤はカルボキシル基の替わりに水酸基を多く含む側鎖を結合させ,これらによりイオン化することなく水溶性としたものである。
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