画像診断
腎盂内鋳型に発育した腎細胞癌
清水 弘文
1
,
岡田 収司
2
,
斉藤 和博
3
1八潮中央総合病院泌尿器科
2上尾中央臨床検査研究所病理部
3東京医科大学放射線科
キーワード:
腎細胞癌
Keyword:
腎細胞癌
pp.334-336
発行日 1997年4月20日
Published Date 1997/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902019
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患者 56歳,男性。
主訴 右下腹部痛,膨満感。
家族歴・既往歴 特記事項なし。
現病歴 1995年2月初旬より右下腹部の鈍痛,腹満感があり,当院内科に入院。腹部超音波検査にて右水腎症が認められた。また,1994年11月に肉眼的血尿の既往があったことから,当科を紹介された。
入院時現症 体格中等度,栄養良好,胸腹部理学所見に異常なし。体温36.7℃。
検査所見 血液検査では軽度の貧血(赤血球379×104/mm, Hb 10.2 g/dl)を認める以外異常所見なし。尿沈渣は赤血球0〜1/強視野,白血球0〜1/強視野。尿細胞診class IIIb。
画像検査 IVP 15分像では右腎は無造影腎であった。逆行性腎盂造影を試みたところ,理由は不明であったが,尿管カテーテルを右尿管口から3cmしか挿入できなかったので,順行性腎盂造影(AP)を施行した。腎盂内には腫瘍の存在を示唆する不整な陰影欠損像を認めた(図1)。単純CTでは右腎に腎実質腫瘍の存在を疑わせる陰影がみられ,その下方のスライスでは実質には異常所見なく,腎盂の拡張のみが認められた(図2)。AP後のCTでは右腎盂内を占有する腫瘤を認めた(図3)。
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