文献抄録
小児鋳型腎結石の術後
pp.869
発行日 1977年10月20日
Published Date 1977/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202429
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著者らは19例の小児鋳型腎結石(含両側4例)に対して広範腎切石術を施行し,術後の腎機能・腎発育の経過などを最長13年にわたつて観察して報告している。
症例は男児14名,女児5名で,年齢分布は1歳より13歳までで,6歳以下の幼児は14名である。これら患者の腎結石発生原因と考えられる通過障害は4例に認め,うち3例は神経因性膀胱,1例は原因不明の高度肉柱形成膀胱であつた。全症例について内分泌的異常血液生化学的異常を呈した例はなかつた。しかし特に注目されることは19例中18例に尿路感染が認められ,感染菌としては16例に変形菌,2例に大腸菌,1例に混合感染があつたことである。摘出された結石成分はほとんどがmagnecium calcium,ammonium phosphateであつた。腎結石の摘出法は広範な腎正中切開によつたが,この際腎冷却法やmanitol投与は行なわず,腎茎血管遮断は30分以内に止めた。腎結石仮性再発防止のため術中X線検査を行なつた。
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