交見室
第82回日本泌尿器科学会総会,第8回卒後・生涯教育プログラム「保険診療と泌尿器科」を聞いて,他
三品 輝男
1
1三品泌尿器科医院
pp.626-627
発行日 1994年7月20日
Published Date 1994/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901265
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日本泌尿器科学会総会における卒後・生涯教育プログラムは,私のように第一線で臨床に携わっている医師にとっては大変勉強になり,第7回目から積極的に出席聴講しています。第4日目(4月9日)の早朝には同時進行で「泌尿器科手術とコツ」の教育プログラムも行われ,こちらのほうにも出席したかったのですが,あえて「保険診療と泌尿器科」のほうを選びました。と申しますのは,ホルモン抵抗性再燃前立腺癌あるいは進行性膀胱癌に対するエトポシドによる治療が保険上妥当かどうかを知りたかったからです。
本プログラムで,有吉朝美先生は医師裁量権について「診断名には裁量はない。正しいか間違いかのいずれかである。しかし実際の臨床における医療内容はきわめて多様でファジーなことが多く,数学のように論理的で正解は1つだけということはない。個人差の大きい患者の治療のために,検査の種類,治療の組み合わせなど,多数の選択肢の中から裁量しなければならない。このような裁量こそが医師に委ねられた最大かつ本質的な業務である」と述べられておられます。
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