印象記
日本泌尿器科学会第56回総会
永田 正夫
1
,
佐々木 寿
2
,
梅津 隆子
3
1日本大学医学部泌尿器科
2東京医科大学泌尿器科
3東京女子医科大学泌尿器科
pp.475-478
発行日 1968年6月20日
Published Date 1968/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200430
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第1日
日本泌尿器科学会第56回総会は4月1日,2日,3日にわたつて上野公園内東京文化会館大ホールにおいて東京医科歯科大学落合教授が総会長として開催された。会場は廓下通路も充分に余裕がある広さで,受付やスライド係など混雑なく処理されていたことは小池助教授が指揮される教室員諸氏の一糸乱れぬ統制も賞讃されなければならない。会館周辺の桜花も満開で,学会疲れの眼も楽しませてくれたし,学会内容の華やかさをたたえているようにも思えた。学会初日に落合教授は会長講演として「泌尿器科意味論序説」なる演題のもとに自己の所信と本学会運営方針を発表されたことは会員に多大の感銘を与えた。われわれが平常胸のうちには持つていた気持を公開の席上で適切に表現されたことに敬意を払わざるを得ない。発言内容を要約すれば,泌尿器科は戦後において始めて皮膚科と分離独立したもので,脱皮発展が期待されるし,またわれわれはかく努めなければならない。
従来一部に考えられていた泌尿器外科なる立場は内容が外科の一分科としての意味からすれば当然かも知れないが,外科を単なる技術としてのみ習練するならば,英国風にみてその人はDoctor某とはよばれないで,Mister某と呼ばれるべきであろう。われわれは学会に対して大きな負担を荷なつているが,これを宝の荷物と考えねばならない。というように受け取れた。
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