画像診断
ナットクラッカー現象による腎出血の1例
中田 誠司
1
,
栗田 誠
1
,
高橋 修
1
,
矢嶋 久徳
1
1前橋赤十字病院泌尿器科
キーワード:
腎出血
,
腎静脈狭窄
Keyword:
腎出血
,
腎静脈狭窄
pp.795-797
発行日 1993年9月20日
Published Date 1993/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901037
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患者 30歳,男性。
主訴 無症候性肉眼的血尿。
既往歴 両側鼠径ヘルニアにて5歳頃手術。
家族歴 特記すべきことなし。
現病歴 1992年12月15日,無症候性肉眼的血尿が出現。某医にて腎エコー,IVP(図1)を施行したが異常所見はなし。当科外来を紹介受診し,膀胱鏡にて左尿管口よりの血尿を確認した。
入院後経過 諸検査にて腎炎を疑わせる所見はなく,尿培養,尿細胞診も陰性であった。腹部エコー(図2),腹部CT(図3)では腎は正常であったが,大動脈と上腸間膜動脈との間隔が狭く,左腎静脈がその間で圧迫されていた。左腎動脈造影(図4)では異常所見はなかったが.左腎静脈造影(図5)では左腎静脈が大動脈と上腸間膜動脈と交叉すると思われる部位で屈曲しており.側副路の形成がみられた。以上の所見よりナットクラッカー現象による左腎出血と診断した。
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