交見室
急性陰嚢症の診断と処置について,他
有吉 朝美
1
1福岡大学
pp.461-463
発行日 1990年5月20日
Published Date 1990/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900094
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第43巻9号の小松先生らの「陰嚢RIイメージングが診断に有効であった急性陰嚢症」を拝見し,うらやましく思いました.というのは,福岡大学病院におけるRI検査は予約制になっており,治療に寸刻を争う疾患の診断にはほとんど役に立たないからです.
睾丸回転症は,いったん診断を誤れば睾丸の壊死・萎縮だけでなく,何らかの免疫学的機序によって対側睾丸の造精機能障害を招く可能性も指摘されています.それだけに診断に長時間を費やすことは許されません.RI診断は睾丸の血流を表現しますので,理論的には睾丸回転症に最もふさわしい診断法といえます.もちろん,睾丸垂や副睾丸垂などの捻転では睾丸本体の血流は保たれるので特異的な診断はできません.
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