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編集後記
大家 基嗣
pp.616
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413208186
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大河ドラマの影響は恐ろしいものがあります.今年は紫式部が主人公の「光る君へ」です.源氏物語が注目されていて,私の故郷である京都府宇治市にある「源氏物語ミュージアム」が賑わっていると聞きびっくりしました.源氏物語54帖の最後の10帖は宇治が舞台であり,宇治十帖と呼ばれています.開館した1998年当時は,「税金の無駄遣いとちゃう.」とか,「他に宇治をアピールするものがないからなあ.」とか賛否両論だったのを覚えています.案の定,閑古鳥が鳴いていて,コロナ禍ではさっさと閉館していました.
日本が誇る世界の古典文学「源氏物語」の素晴らしさは語り尽くされています.宇治出身者である私の思い入れは,宇治十帖にあり,美しい宇治の自然も後押しして,御一読を願うものであります.源氏物語は膨大なる長編小説なので,最後の10帖にたどり着くのは大変ですが,光源氏の死後の物語は,神話の世界から現実の世界へ引き戻された気がいたします.
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