特集 泌尿器科医のための核医学―正しく理解して潮流に乗れ!
企画にあたって
泌尿器科医のための核医学―正しく理解して潮流に乗れ!
志賀 哲
1
1福島県立医科大学ふくしま国際医療科学センター 先端臨床研究センター
pp.341
発行日 2024年5月20日
Published Date 2024/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413208133
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泌尿器科領域における核医学は,長い間,主に腎機能検査や骨シンチグラフィーに限定されていました.これらの検査は,疾患の診断や治療計画の策定において他の検査方法と組み合わせて利用されることが多く,補助的な役割に限定されていました.しかし,2016年にラジウム223(Ra-223)が保険承認されて以降,泌尿器科領域における核医学の役割に変化がみられてきています.
2021年のI-131 MIBG治療薬承認および,前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的とするPETイメージングやLu-177を用いたPSMA療法の出現は,この変化を大きく後押ししています.PSMA PETは,前立腺癌の病期診断や再発検出,転移の評価において非常に有用であり,また,Lu-177 PSMA治療のコンパニオン診断薬として使われています.PSMA治療薬はPSMA PET診断薬と類似または同じ構造の薬剤にLu-177やAc-225の治療用ラジオアイソトープ(RI)を標識することにより,進行した去勢抵抗性前立腺癌に対し一定の治療効果を上げ,新たな治療選択肢として注目されています.
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