書評
帰してはいけない外来患者 第2版―前野哲博,松村真司 編
坂本 壮
1,2
1総合病院国保旭中央病院救急救命科
2総合病院国保旭中央病院臨床研修センター
pp.901
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207379
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“人は変えられるのは 未来だけだと思い込んでいるけど 未来は常に 過去を変えているんじゃないかな”
私は主に救急外来で仕事をしている.救急というと多発外傷やショック,心肺停止など,死に瀕している患者さんばかりが来院すると思われがちだが,そんなことはない.『救命病棟24時』,『コード・ブルー』,最近では『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』,『ナイト・ドクター』など,おいおい,こんな若手がそんなことを,それも美男美女ばかりが……てな感じの突っ込みどころ満載ながらも楽しいドラマに出てくるような症例はまれだ.リアルな救急外来で出合う症例の多くは,発熱,呼吸困難,意識障害,意識消失,めまい,何らかの痛みなどを主訴に来院し,バイタルサインはおおむね安定している.最近では,高齢者が動けない,元気がない,食欲がないといった症例も多く,病歴聴取や身体所見の評価に苦渋しながら,みんな対応しているだろう.
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