小さな工夫
da Vinci Xiシステムにおける後腹膜腔拡張の工夫
田口 功
1
,
川端 岳
1
Isao Taguchi
1
,
Gaku Kawabata
1
1関西労災病院泌尿器科
pp.1006-1007
発行日 2019年12月20日
Published Date 2019/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206777
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前立腺や腎臓など泌尿器科で扱う臓器の多くはいわゆる後腹膜臓器であり,後腹膜アプローチ手術は泌尿器科特有の手術である.腹腔内臓器損傷リスクの軽減や術後の腹腔内癒着を避けるなど,主には消化器系の合併症リスク軽減の点で有利であり,低侵襲手術といえよう.ロボット支援手術においても,適応を検討したうえでの積極的な活用が有用である.
そもそも後腹膜腔とされる腔は存在せず,後腹膜アプローチ手術の際には後腹膜腔を展開拡張する必要がある.1992年のGaurによる外科用手袋を用いたバルーンダイセクターによる後腹膜腔拡張の報告1)以来,現在では既製品のバルーンダイセクターを用いることが一般的かと思われる.そのほかに,手指のみでの拡張や,既製品を用いている場合でも内視鏡を挿入せず術野の観察なしで拡張を行っている施設もあるようである.われわれの施設では,後腹膜腔拡張の際に通常PDBTMバルーン(コヴィディエンジャパン株式会社)を用いて内視鏡観察下に行っている.
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