Japanese
English
綜説
前立腺MRIの臨床的役割―臨床的に有意な癌の可視化
Clinical role of MRI in the diagnosis of prostate cancer
山田 恭弘
1
,
浮村 理
1
Yasuhiro Yamada
1
,
Osamu Ukimura
1
1京都府立医科大学泌尿器科学教室
キーワード:
mpMRI
,
前立腺癌
,
MRI-US fusion生検
,
臓器温存治療
Keyword:
mpMRI
,
前立腺癌
,
MRI-US fusion生検
,
臓器温存治療
pp.422-429
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206643
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要旨
超高齢社会を迎え,本邦において毎年9万人以上の前立腺癌が新たに発見されている.『前立腺癌診療ガイドライン2016年版』1)によると,前立腺癌検診の不利益としては,不必要な生検の増加,過剰診断,過剰治療のリスク増加などが挙げられている.なかでも患者予後に影響を与えるclinically significant cancerの見逃しは,前立腺癌の疑われる症例に対する複数回の生検による侵襲・不安や,生検による感染・出血などの合併症を含む患者負担の増加や,見逃された癌の進行が生命予後に影響するという問題点がある.生検前のmpMRI情報に基づくMRI-US fusion生検によって,系統的生検に比べてclinically significant cancerを効率的に検出可能であることが報告されている.また一方で,患者予後に影響を与えないclinically insignificant cancerの過剰診断が問題となっている.この点でも,mpMRIを用いることで,不必要な生検や過剰診断が減少することが報告されており,今後前立腺癌患者のマネジメントにおいてMRIが活用される機会が増加することが予想される.本稿では,前立腺MRIの臨床的役割について概説する.
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