交見室
末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)法の有用性
勝岡 洋治
1
Yoji Katsuoka
1
1一般社団法人巨樹の会新上三川病院
pp.327
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206620
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先日,医療事故調査・支援センター,一般社団法人日本医療安全調査機構発行(平成29年3月)の小冊子を入手した.第1号には,中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析―第1報―が公表されている.そのなかで,10件の死亡事例の概要が報告されている.死因として,頸部血腫による窒息が1例,胸腔内出血が5例,致死性不整脈が1例,縦隔血種が2例(1例は胸腔内出血と併存),後腹膜への誤挿入が1例,出血性脳梗塞が1例であった.医療事故調査・支援センターでは,死亡事例を分析し,「死亡事故に至ることを回避する」という視点から再発防止の提言をまとめている.その内容は,適応,説明と納得,穿刺手技,カテーテルの位置確認,患者管理などに関して記載されている.
特筆すべきは,鎖骨下あるいは内頸静脈穿刺による中心静脈カテーテル挿入の代替として,末梢挿入型中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter : PICC)法を検討すべきとしている点である.
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