特集 進行期精巣腫瘍の診療─難治症例に挑む
企画にあたって
河合 弘二
1
1筑波大学医学医療系腎泌尿器外科学分野
pp.477
発行日 2016年6月20日
Published Date 2016/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205723
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わが国の精巣腫瘍の年間死亡数は,ほかの多くの先進国と同様に2000年前後まで低減する傾向が明らかであった.これはBEP療法に代表される標準化学療法と転移巣に対する手術療法による集学的治療の普及によるものと考えられる.一方で,2000年以降は死亡数の低下傾向が鈍化していることを示唆する疫学データもある.これをさらに確実に減少させるには,①進行期精巣腫瘍の難治化をいかに防ぐか,②難治症例にどのように対処するか,③リスクの高い症例にどのように対応するかの3点が重要である.その点で2015年に刊行された『精巣腫瘍診療ガイドライン2015年版』は実践的な内容が豊富に盛り込まれており,大変有用である.
そこで本特集では,進行期精巣腫瘍を担当した際の実際の対処法について,エキスパートの先生方に新版ガイドラインを踏まえて,時系列的に解説していただいた.実臨床に即した本特集を一読いただき,役立てていただければ幸いである.
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