増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
11 併存疾患
精神・神経系
うつ病
岡島 由佳
1
1昭和大学医学部精神医学講座
pp.369-371
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205684
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疾患の概要
「気が沈む」「気が滅入る」といった抑うつ気分が主体の,周期的な気分の動揺が特徴的な内因性(素質や遺伝の影響を無視できないが,現時点では原因不明といわざるを得ない状態)の精神障害である.その抑うつ気分は,通常誰でも起こりうる抑うつ気分よりも重度である.理解可能な憂うつとは異なる性質のもので,発症にもはっきりした心理的要因がないことも多い.抑うつ気分以外に,不安感,焦燥感,趣味や楽しみにも関心がもてなくなる興味の喪失,「考えがまとまらない」「決断力が落ちる」「頭の動きが鈍い」といった思考の抑制,自分を責めがちになり,些細なことにも自責感や罪業感をもつといったことがある.希死念慮や自殺企図に発展することもある.1日のうちでも症状に波があり,朝に抑うつ気分や意欲の低下がみられ,夕方にかけて軽快するのが典型的な日内変動である.時に妄想がみられることもあり,うつ病ではその気分に一致した微小妄想(罪業妄想,貧困妄想,心気妄想)が知られている.
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