増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
2 下部尿路機能障害
過活動膀胱
西井 久枝
1
,
藤本 直浩
1
1産業医科大学医学部泌尿器科学
pp.65-68
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205593
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疾患の概要
過活動膀胱とは,尿意切迫感を必須とした症状症候群であり,通常は頻尿と夜間頻尿を伴い,切迫性尿失禁は必須ではない.尿意切迫感とは,通常の尿意とは異なる,「突然起こる,我慢できないような強い尿意」をいう.
過活動膀胱症状は地域住民の5〜20%の頻度でみられ,対象や調査手法,診断基準の違いで変動する.本邦の40歳以上の男女を対象とした大規模疫学調査では,排尿回数を1日8回以上,尿意切迫感が週1回以上と定義し調査され,全体の有症状率は12.8%であった.頻度は年齢とともに上昇し,性別では一般に女性に頻度が高い.生命に関わる疾患ではないものの,インパクトは大きく,仕事やQOL,精神衛生に悪影響を及ぼす.
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