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特集 知っておきたい腎移植の最新情報—基礎から臨床まで
Ⅰ.基礎
ABO不適合移植における血液型抗原結合ペプチドの抗血栓・免疫応答抑制効果の可能性
The potential role of blood group antigen-targeting peptide in ABO-incompatible in renal transplantation
畠山 真吾
1
,
米山 徹
1
,
飛澤 悠葵
1
,
大山 力
1
Shingo Hatakeyama
1
,
Tohru Yoneyama
1
,
Yuki Tobisawa
1
,
Chikara Ohyama
1
1弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座
キーワード:
ABO不適合腎移植
,
ABO抗原
,
ペプチド
Keyword:
ABO不適合腎移植
,
ABO抗原
,
ペプチド
pp.1093-1100
発行日 2015年12月20日
Published Date 2015/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205503
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要旨 ABO不適合腎移植の際には,血液型糖鎖抗原を介した拒絶反応が問題となる。われわれは血液型糖鎖抗原に特異的に結合するペプチドを同定した。ペプチドの効果を確認するため,腎癌患者から摘出した腎の正常部位にABO不適合血液を再灌流するABO不適合移植ex vivo模倣モデルを作成した。ABO不適合血液を再灌流する前にペプチドを灌流したところ,ペプチド前処理により微小血栓と免疫グロブリンの沈着を予防することが示唆された。以上より,血液型抗原に結合するペプチドはABO不適合腎移植における血栓形成と免疫グロブリンの沈着を抑え,新規拒絶抑制法の開発につながる可能性が示唆された。
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