--------------------
編集後記
小島 祥敬
pp.320
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205199
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
2014年5月に一般社団法人日本専門医機構が設立され,専門医制度が大きく変わろうとしています。これまで各学会の主導により専門医の認定・更新がされてきましたが,今後は専門医機構が行うことになります。専門医認定に関しては,今年4月の新初期研修医が2017年から専門研修を開始し,専門医更新に関しては,暫定的措置期間を経て2020年から新制度が適用されます。日本泌尿器科学会でも,専門医制度審議会委員長の市川智彦教授が中心となられて,泌尿器科の「専門研修プログラム整備基準」「専門医認定更新基準」の作成に大変なご尽力をなされておられます。新制度に対しては賛“否”両論ありますが,あえてその利点について,客観的に私見を述べさせていただきます。
1つ目は,専門医が公的に保証されることです。専門医機構によると,従来の専門医制度は各学会に任されていたため,質の保証や認定の標準化の面で問題があったとし,今後は専門医機構が認定した研修プログラムを基盤とすると定めています。確かに,近年数多の専門医や認定医制度が存在し,国民目線でみればわかりにくい面があったことは否めません。横並びの制度であれば,医師の裁量権を狭める可能性もあります。専門医や認定医コレクターが私の周りにもいたのも事実です。新制度では,公の資格として専門医の質を保証し,患者が受診するよい指標となることが目的とされており,今後専門医としてのpriorityが整備されれば,素晴らしい制度になり得るのではないかと思います。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.