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特集 女性下部尿路機能障害のベストマネジメント
Ⅲ.骨盤臓器脱手術と腹圧性尿失禁
骨盤臓器脱手術と尿失禁手術の同時施行:反対の立場から
Anti-incontinence surgery concomitant with POP surgery:Cors
加藤 久美子
1
,
鈴木 省治
1
,
鈴木 晶貴
2
,
山本 茂樹
2
,
鈴木 弘一
2
,
服部 良平
2
Kumiko Kato
1
,
Shoji Suzuki
1
,
Akitaka Suzuki
2
,
Shigeki Yamamoto
2
,
Koichi Suzuki
2
,
Ryohei Hattori
2
1名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科
2名古屋第一赤十字病院泌尿器科
キーワード:
骨盤臓器脱
,
腹圧性尿失禁
,
同時手術
Keyword:
骨盤臓器脱
,
腹圧性尿失禁
,
同時手術
pp.278-282
発行日 2015年3月20日
Published Date 2015/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205186
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要旨 骨盤臓器脱(POP)手術には,腹圧性尿失禁(SUI)の悪化リスクがあり,尿失禁手術の同時施行が論議されてきた。日本は,二期的施行74%,治療的同時手術(症候性SUI)20%,予防的同時手術(潜在性SUI)5%,超予防的同時手術(全例)1%と慎重な方針が多い。
中部尿道スリング手術(TVT/TOT)が尿失禁手術の主流となり,症候性SUIのないPOPの腟式手術に,TVT手術併用の有無でRCT(OPUS試験)が行われた。12か月後の尿失禁は併用群27%,非併用群43%で,併用群0.6%,非併用群4.7%が尿失禁手術を要した。併用群は膀胱損傷,尿路感染症,排尿困難が多く,2.4%が排尿困難に対して手術を要した。
同時手術には過剰医療,手術合併症増加の可能性がある。現時点では十分なインフォームド・コンセントのうえの二期的手術は妥当と考える。
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