交見室
座談会「よりよい手術をするためにⅢ.停留睾丸,尿失禁」を読んで,他
寺島 和光
1
1神奈川県立こども医療センター
pp.451-452
発行日 1989年5月20日
Published Date 1989/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204990
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42巻12号の小川秋実先生司会の座談会に関連して,精巣固定術後の牽引について私共のやり方をご紹介いたします。
精巣血管を後腹膜上方まで十分に剥離した結果,精巣が陰嚢底部よりさらに下方に位置するのであれば牽引は不要ですが,やっと底部に到達する程度のものはいわゆる会陰部牽引を行います。精巣を通常どおり肉様膜内のポケットに収納し皮膚も閉じた後,あらかじめ精巣にかけておいた絹糸を対側の会陰部(肛門の近く)の皮膚にかけて引っぱります。この方法では精巣のさらなる下降はせいぜい1〜2cmしか期待できませんが,何しろ安全ですし,術後はすぐに動くことができます。牽引期間は3日間で十分です。
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