画像診断
肉眼的血尿を主訴とし,酸性フォスファターゼ高値を示した膀胱部の陰影欠損
岡根谷 利一
1
,
清河 秀雄
1
1信州大学医学部泌尿器科学教室
pp.376-378
発行日 1988年4月20日
Published Date 1988/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204734
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患者 63歳,男性。
主訴 無症候性肉眼的血尿。
初診1983年6月21日。
既往歴・家族歴 特記すべきことなし。
経過1983年春頃から時々肉眼的血尿が出るのに気づき精査を受けたが異常なしとされた。排尿障害もないためその後放置していた。1987年10月27日,近医を受診し静脈性尿路造影で膀胱部の陰影欠損を指摘され(第1図),当科を紹介された。
理学的所見 前立腺は鶏卵大,弾性硬。 膀胱鏡検査 血尿が高度のためと,大きな前 立腺によって膀胱鏡の可動性が制限されるため内腔の観察はできなかった。
検査所見 初診時の血清酸性フォスファターゼ(EIA)6.3KAU(正常1.0〜4.0),前立腺性酸性フォスファターゼ(EIA)7.31μg/l (正常0〜0.8),前立腺特異抗原(EIA)5.2ng/ml(正常3.6以下),ガンマセミノプロテイン8.4ng/ml (正常4.0以下)と高値を示した。
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