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手術手技
膀胱尿管逆流防止術の新術式—Gil-Vernet法
A New Antireflux Technique for Vesicoureteral Reflux: Gil-Vernet Method
辻村 玄弘
1
,
中島 幹夫
1
Haruhiro Tsujimura
1
,
Mikio Nakajima
1
1愛媛県立中央病院泌尿器科
1Department of Urology, Ehime General Hospital
pp.127-130
発行日 1986年2月20日
Published Date 1986/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204221
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はじめに
再発性腎盂腎炎,ひいては腎機能の荒廃の原因となる膀胱尿管逆流症(以下VUR)に対しての逆流防止術の必要性は一般の認めるところである。1952年Hutch1)がHutchⅠ法を報告して以来,今日まで多数の先駆者が種々の術式を提唱し,種種の成績をおさめてきた。しかしながら,それぞれの術式により一長一短があり,またその手術手技の巧拙によりその手術成績にはかなりの差が認められる。
1984年,Gil-Vernet2)は独自の新しい逆流防止の術式を発表し,38例のVUR患者に試み36例に成功したと報告した。この術式の発想はHutchⅡ法3)に最も近いものであり,尿管そのものには一切ふれず,膀胱三角部の筋層を縫縮することにより尿管下端と三角部の補強とともに,尿管をひきこむことにより壁内尿管を延長させ,逆流防止の目的をとげようとする試みである。
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